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ウェルフロート・ダブル 試聴記


WELL FLOAT Double

究極の震動対策を誇るウェルフロートボードに、新製品の「ウェルフロート・ダブル」が追加になりまして、当店で試聴させていただいたところ、目覚ましい音質改善効果が見られまして、展示することに致しました。

この「ウェルフロート・ダブル」は、一昨年夏に発売になりました最上位モデル「ウェルフロート・バベル」(税込660,000円)と昨年追加された「バベル・ベース」(税込220,000円)を簡素化したモデルで、一体型のボード仕様になっております。
「ウェルフロート・バベル」は、吊り構造のメカを重ねて搭載した「多段振り子構造」になっております。具体的には3個の小型ウェルフロート・メカを1段の吊り構造として構成して、これを4段重ねることによって、合計12機による強力な防振構造(4層多段振り子構造)を実現しています。

今回発売になった「ウェルフロート・ダブル」は4機の小型ウェルフロート・メカを2層にして、上部にステンレスボードを載せたインシュレーターボードとなっております。ボードサイズは巾480mm、奥行450mm、高さ44mmとやや大きめで、重量10.8㎏と、しっかりした印象です。なおボード自体は、スーパーアノダイジング処理のアルミニウムと、サンドブラスト処理ステンレスの組合せで構成されています。ちなみに価格は税込385,000円と、なかなかの値段となっております。

ACOUSTIC REVIVE RAF-48H

さて、ここからは試聴に入りましょう。
アナログレコードとCDディスクで比較をしてみました。ついでにアコースティック・リバイブのエアーフローティングボードRAF-48Hとの比較もしてみました。
使用機材はLUXMAN PD-191(アナログプレーヤー)、Phasemation PP-500(カートリッジ)、Phasemation EA-350(フォノイコライザーアンプ)、ESOTERIC K-05XD(SACDプレーヤー)、Accuphase C-2900(プリアンプ)、Accuphase P-7500(パワーアンプ)、B&W 802D4(スピーカー)の組合せで行ないました。

アナログレコードの1枚目は、B&Wがオーディオファイルのために、ハイクオリティな録音に徹底的にこだわった優秀録音盤の1曲目、Allan Taylorの 「 Colour To The Moon 」です。冒頭の「鐘の音」がいつまでも響く透明感が素晴らしく、普通の状態でも感心させられるパートですが、ウェルフロート・ダブルに載せた時は透明感がさらに増して、響きも豊かになり、更にクリアなサウンドステージが楽しめました。
ボードをアコースティックリバイブのRAF-48Hに替えてみると、穏やかで柔らかさや暖かみがある音になりました。この製品はボード内にあるエアーチューブに手動ポンプで空気を送り込んで振動を遮断させるという仕組みになっており、構造上、音質的には穏やかになる傾向があります。それでも機材と接するボード部分には響きの綺麗なヒッコリーを使用しており、クオリティアップが図られています。価格的にもウェルフロート・ダブルの1/3程度なのでコストパフォーマンス的にはいい勝負なのかもしれません。

LUXMAN PD-191 + WELLFLOAT Double

アナログレコードの2枚目は「 CANTATE DOMINO 」です。スウェーデン、ストックホルムの教会でのパイプオルガンとオスカル・モテット合唱団による優秀録音盤です。教会の豊かな響きと合唱団の美しいハーモニーは、とても1976年の録音とは思えないほどの素晴らしさです。
ウェルフロート・ダブルに載せると、教会独特の空間がさらに広がり、奥行感やエコー感が増して極上の音楽が楽しめました。
RAF-48Hに替えてみると、響きやエコー感が穏やかに聴こえてきます。あまり細かい描写にこだわらず、これはこれでゆったりと音楽が楽しめると思いました。

LUXMAN PD-191 + RAF-48H

CDディスクの1枚目はシェフェールド・ラボの「 Crème de la Crème 」の中から「 The Higher You Rise 」です。フュージョン系のパンチのあるサウンドですが、ウェルフロート・ダブルに載せると音がキリッと締まってシャープになり、気持ちのいいサウンドが楽しめました。RAF-48Hに替えてみると、個々の音は明確なのですが音場感は狭く感じました。

CDディスクの2枚目はEXTONのSACDディスクで、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」です。このディスクはとりわけ優秀録音という訳ではないのですが、田園風景の牧歌的雰囲気がどう出るかを試してみました。
ウェルフロート・ダブルに載せると、空間の広がりと音場感は素晴らしいの一言でした。正に目の前に田園風景が広がる感じが目に見えるようでした。RAF-48Hに替えてみると、音場の広がりはそれほどでもないですが、ゆったりとリラックスして聴けるようなやさしさのある音楽に感じました。

CDディスクの3枚目はキース・ジャレットのゴールドベルグ変奏曲です。1989年1月に日本の八ヶ岳高原音楽堂で収録されたハープシコードによる演奏です。ウェルフロート・ダブルはシャープで音場感に溢れたサウンドで驚きました。会場の凛とした空気感がひしひしと感じられました。それに比べるとRAF-48Hはゆるいというか、言い方を変えると優雅で優しく穏やかな印象になりました。

トータルの印象としては、ウェルフロート・ダブルは、車で表現すると、走りを楽しむスポーツカータイプということになりますでしょうか。一方、RAF-48Hはクルージングを楽しむセダンタイプという感じがしました。
このあたりは音楽をどのようなイメージで楽しむのか、別の言い方をすると、音楽の中に入り込んでどっぷり浸かりたいのか、音楽空間全体を楽しみたいのかによって選択は変わっていくような気がします。長年オーディオを趣味としてやってきて、更に奥の深い世界を体験したいという方には、ウェルフロート・ダブルはその欲求を十分に満たしてくれるアイテムだと思います。
ご興味のある方は是非当店でそのパフォーマンスをお試しくださいませ。