グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  ブログ >  SOULNOTE D-2 試聴記

SOULNOTE D-2 試聴記


先日、㈱CSRの方が二人でお越しいただいて、SOULNOTEの新製品D/Aコンバーター D-2を聴かせていただきました。お二人とも昔からよく知っている旧知の中なので和やかな雰囲気の中で試聴が始まりました。

このD-2は昨年発売になったD-1(定価290,000円)の上位機種で、定価600,000円で倍のお値段ですが、DACチップにESS Technology社の最高峰チップES9038PROをチャンネル当たり2個で計4個採用したことで話題になりました。これは業界初の規模だそうです。これだけでも話題性抜群ですが、NOS(ノンオーバーサンプリング)モードというFIRオーバーサンプリング時に発生するプリエコー/ポストエコーを回避する仕組みを組み込みました。これにより音の滲みのないフレッシュなサウンドが楽しめるとのことです。(但しこれはLPCMのみでDSDはこの恩恵にあやかることはできません)
その他DDS(Direct Digital Synthesizer)にオーディオ用として初めてTexas Instruments社のLMX2594を採用したりと、なかなかのこだわりの製品です。

さてその音質ですが、ちょっとビックリでした。当店はD-1の展示があり、定価で30万円くらいのD/AコンバーターとしてはNo.1の音質だと思っておりますが、D-2はそれをはるかに凌駕するものでした。ナチュラルな響きと清々しく凛とした空気感は正にハイエンドDACの世界でした。

特に驚いたのがDSD11.2MHzの宮沢明子さんの「ピアノ名曲集 乙女の祈り・エリーゼのために・愛の夢」でした。この音源は当時の家電量販店「第一家庭電器」が第一家庭電器オーディオ・メンバーズクラブというオーディオファン向けに録音したアナログレコードです。録音は1984年3月4日、場所は茅ケ崎市民文化会館、マスターテープはオープンデッキ1/2インチ76cm2トラックのアナログ録音で、このマスターテープからダイレクトにDSD11.2に変換したものです。私が初めてDSD11.2を聴いたのもこの録音で、非常にキメの細かい繊細な音にびっくりしたものです。

これがD-2で再生をするとそこに力強さが加わり、ピアノの左手の低い音がしっかりと聞こえます。また音量が同じにもかかわらず音楽全体が迫ってくる迫力を感じます。ハイレゾらしい情報量の多い滑らかでしなやかなサウンドでありながら中低域の厚みも感じさせるその音色は良質なアナログレコードの世界に通じるものがあります。

それからは様々なジャンルを夢中になって聴きました。どの音楽も何か新鮮な感動というものがありました。D/Aコンバーターで感動したのは、現在私が自宅で使っているTechDASのD-7 Supreme以来です。D-7 SupremeはDAC部は大したことはありませんが、その後のアナログ回路や電源部、筐体、スパイク形状のフットとスパイクインシュレーターで圧倒的な音の良さを誇りました。SOULNOTE D-2であればDAC部の性能は申し分ありませんので、その他の部分でD-7 Supremeとどれくらい違うのかはちょっと気になるところです。


そんなこんなで㈱CSRのお二人の熱意と努力に屈して、D-2の展示をすることとなりました。
60万円のD/Aコンバーターは決してお安くはありませんが、このDACが奏でるデジタルの世界は今までに聴いたことのない美の世界を聴かせてくれることでしょう。
また、これは音質とは関係ありませんが、パネルの仕上げが今までのツルツルテカテカから表面がザラザラしたマット仕上げに変更になっております。この方が落ち着きがあり高級感が出ます。それに伴ないSOULNOTEのバッジもマット仕上げになっておりますので合わせてご報告いたします。