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marantz SA-10 展示いたしました


marantzの新製品SACDプレーヤー SA-10を展示いたしました。
この製品は業界関係者の内覧会で音は聴かせてもらっていたのですが、改めて店内でじっくり聴いてみるとなかなかの出来の良さを感じます。
この製品の最大の特徴は DAC にあります。通常DAC というとそれぞれのディバイスメーカーの専用DACチップを使用するのが一般的ですが、マランツはDACチップを使わずに全て自前で回路を組んで、ディスクリートDACを完成させました。マランツではこれを「Marantz Musical Mastering(MMM)」と名付けて、今後のハイエンドCDプレーヤーに搭載する計画のようです。こうしたディスクリートDACはdCS、CHORDなどのハイエンドメーカー以外ではではほとんど例がなく、国内でもAccuphaseのDC-81、DC-81L以来ではないかと思います。また開発期間もコストもかかるこうした手法を敢えて選択したのには欧州マランツの経験豊富なエンジニアの存在があったようです。これを将来への技術資産として投資したマランツの英断に拍手を送りたいと思います。
肝心の音ですが、現代のハイエンドオーディオに共通する、音の見通しの良さと緻密な表現力を感じます。内覧会で聴いた時はそうした解像度の高さが際立っていて、従来のmarantzが持っているやさしさやしなやかさが消えてしまったように感じたのですが、店で様々なジャンルを聴いてみると、想像以上にmarantzのDNAが残っていることに安心しました。ちなみに当店のリファレンスシステムはプリアンプがAccuphase C-3850、パワーアンプがAccuphase M-6200、スピーカーシステムがB&W 803 D3です。
今回の主な試聴ディスクは、
クラシック   シューベルト/ピアノ五重奏曲イ長調「ます」(ESOTERIC ESSD-90121)、
       マーラー/交響曲第1番ニ短調「巨人」 (EXTON OVXL-00077)
ジャズ      Autumn in Seattle/山本 剛トリオ  (FIM FIM SACD 040)、
        Mr.BOUJANGLE/水橋 孝(b)、田中 裕士(p)   (WOODY CREEK CD-1001)
ヴォーカル   MY ROOM Side1/ウィリアムス浩  (Berkley Square Music BSM006)   等で行いました。
比較対象商品として、ESOTERIC K-05Xと比較をしました。K-05Xは骨太の男性的なサウンドが魅力ですが、解像度はほぼ互角な感じでした。音楽表現としてはK-05Xはストレートで押しが強い感じでしたが、SA-10は細かい音も良く再現しますが、程よくエッジをぼかして独特の心地良さが感じられました。この辺りはリスナーの嗜好と、組み合わせる機材によって変化しますので、両機種とも自分の好みに仕立て上げる楽しみを感じさせるだけのクオリティと懐の深さがあります。
今回はSA-10の音色が従来のマランツサウンドとかなり違った印象だったのですが、よくよく聴いてみるとやっぱりマランツだなあという思いを新たにした試聴でした。なお12月になるとアキュフェーズから同価格のSACDプレーヤーDP-560が発売になりますので、こちらとの比較も楽しみです。 (記 遍照)

marantz SA-10