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MONITOR AUDIO PLATINUM 200 3G 試聴記


先日、輸入商社のナスペックよりモニター・オーディオのPLATINUMシリーズ200 3Gのデモ機が届きました。

イギリスのスピーカーメーカーである、モニター・オーディオ社は1972年の創業ですので、昨年創業50周年を迎えました。その中でもPLATINUMシリーズは同社のフラッグシップスピーカーとして、2007年に初登場しました。その後2016年に大幅なリファインを行なってシリーズⅡへと進化をして、更に6年の歳月を経てシリーズ3G (3rd Generation)へと変貌いたしました。

第一の改良点は、それぞれのドライバーシャーシとエンクロージャーキャビネットの間に、2層になったアルミニウム製の「ドライバーフレームホルダー」を搭載しました。これによりそれぞれのスピーカーユニットの振動がエンクロージャーに伝わるのを極力排除しています。また前作から採用しているスピーカーユニット後方にテンションロッドでエンクロージャー背面に引っ張る構造となっております。また今回の3Gシリーズでは大型のトルクスドライバーボルトを採用して、かなり頑丈な構造となりました。それだけユニットの振動対策を入念に施したということなのでしょう。またそのテンションを調整するためのウォルナット製のハンドルが付属しております。

今回の第3世代へのリニューアルで、各帯域のスピーカーユニットは前作をベースとしながらも細かい改良が施されております。ツイーターユニットのMPDⅢは磁気回路にネオジムマグネットを採用しました。また「Bronze 6G」「Silver 7G」のノウハウを活かし、放射特性の改善を実現した導波管(Waveguide)をMPDⅢ用にカスタマイズして搭載しております。
その他、各ユニットも第3世代にふさわしいリニューアルを施されており、ユニット単体のクオリティもアップしているのが分かります。

それとアウトトリガー・フィートと呼ばれるスパイクフットですが、4本の脚部にマグネットで固定されている丸形のプレートを外すと、スパイクの高さ調整ができる構造になっています。これは便利な仕組みで、スピーカー本体を傾けなくても簡単に高さ調整が可能です。また先端のスパイクは取り外しが可能で、外した場合はラバープレートでの接触となります。

さて、その音質ですが、一聴して音ヌケの良さとクリアな音色を感じました。これはS/N感の良さからくるものだと思いますが、透明感があって音の輪郭もはっきりして、まさに現代の最先端のサウンドバランスを聴かせてくれたスピーカーシステムという印象を受けました。

この手のスピーカーには、B&Wに代表されるような空間表現に優れたモニタースピーカーがありますが、このPLATINUM 200 3Gは804D4ほどモニタースピーカーという印象は少ないように思いました。
804D4はホームオーディオのスピーカーでありながら、音楽を正確にプレイバックするモニタースピーカーとしての性格が強い製品であると思います。それに比べてPLATINUM 200 3Gは、804D4ほど凛とした音楽表現ではないですが、音楽全体の佇まいとしては、ストレスなく音楽を楽しむための様々なファクターが折り重なった極上のバランスの中に身を置くことができます。決して緊張感を強いることなく、モニターオーディオ社が思い描く理想の音楽の世界を楽しませてくれます。
両方ともしっかりとしたテクノロジーの上に成り立った極上の音楽の世界を聴かせてくれまして、とても素晴らしいと思いました。

上から Eclipse 8 / Platinum Eclipse 8 / 純正品

今回、このスピーカーと合わせて、WIREWORLDのジャンパーケーブルも貸していただきました。最上位モデルのPlatinum Eclipse 8 (4本1組 税込110,000円)と、ミドルクラスのEclipse 8(4本1組 税込33,000円)の2機種です。
これらに比べると純正品として付属しているジャンパーケーブルはいかにも貧弱な感じがしますが、音質の違いはどのくらいあるか検証してみました。
最初は純正品で音出しをしましたが、別段これで不満は感じなかったのですが、Eclipse 8に替えてみると低域の力感が出てきてダイナミックな音になりました。次にPlatinum Eclipse 8に替えるとこれが激変しました。ダイナミックになっただけでなく、しなやかさも出てきて、一皮剥けたサウンドになりました。
写真をご覧いただければわかると思いますが、純正品のジャンパーケーブルはいかにも頼りない感じがします。しかし仮にこのスピーカーを導入するとなった場合に、すぐ替えたほうがいいかどうかは迷いどころかも知れません。こうしたハイエンドスピーカーの場合は、スピーカーが部屋の環境になじんで、いわゆる「こなれてくる」まで相当の時間がかかります。具体的に言えば1~2年くらいはかかるでしょう。この期間はご自分の好きな音楽をスピーカーに覚え込ませるように鳴らしてあげることが重要です。そうしてご自分の好みの音色が出るようになってからこうしたグレードアップパーツを導入すると、音楽を聴く楽しさや喜びが倍増することと思います。
オーディオの本当の楽しみは、一気に揃えて終わりではなく、ある程度の間隔を置いてケーブルやアクセサリーを入れ替えることによって、新鮮な驚きと喜びを感じられることにあります。こうして少しずつ進化させていくことが、趣味として長続きさせるコツだと思います。
最近は世の中のあらゆる製品が価格高騰の影響は避けられそうもありませんが、オーディオの高級品も値上げが著しく、驚きを禁じえません。このPLATINUMシリーズも前作のPL-200Ⅱの発売時の価格1セット税別1,100,000円から、昨年の価格改定で50万円の値上がりを経て、今回更に20万円アップの1セット税別1,800,000円となりました。
しかし今回のリニューアルは、一聴してそのクオリティの進化を感じられるほどの変化がありましたので、ある程度は仕方ないというか、納得できる部分はあろうかと思います。それでも一般のオーディオファンの方にとっては、かなり敷居の高いスピーカーとなってしまいました。それでもオーディオにかける情熱が強い方にとっては、また一つ、気になるスピーカーが誕生したと思っていただけるほどの魅力的な製品なのではないかと思います。

当店ではこのPLATINUM 200 3Gを展示導入することに致しました。仕上げ色は Piano Ebony になります。
展示機が入荷いたしましたら改めてご連絡致しますので、お好みの音源をお持ちいただいてのご試聴をお待ち致しております。単なるご試聴だけも全く構いませんのでよろしくお願い致します。