グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  ブログ >  Accuphase P-7500 試聴記 その2

Accuphase P-7500 試聴記 その2


前回の試聴記では探り切れなかったP-7500の魅力について、第2弾として追記したいと思います。
                        
正直に告白しますと、Pシリーズのパワーアンプに関しては、ここまでのクオリティを聴けるとは思っていませんでした。(アキュフェーズの開発・設計に携わった方々、大変申し訳ございませんでした!) 
どうしても純A級のAシリーズのほうが、温度感の高さと濃厚なサウンドに惹かれてしまう部分があって、Pシリーズは、音質よりはハイパワーでガンガン鳴らせる環境をお持ちのユーザーが中心になっている感じがしておりました。しかし、今回のP-7500のサウンドは、以前にも述べましたように「明るく爽やか」というのが第一印象です。これは多分にSN比の向上による成果だと思われます。ここ数年のアキュフェーズのパワーアンプ群は、SN比の向上が進んでおり、それに伴って音色的にも変化しております。このP-7500は音色もさることながら、音楽空間の描写が素晴らしく、それなりに音量を上げていけば等身大のライブ感が楽しめます。当店のリファレンススピーカーであるB&W 802D4も、気持ちいいほど鳴らしてくれます。このドライバビリティは本当にすごいと思います。

また前回の試聴記の時にはあまり感じられなかった印象として「鮮度感の高さ」があります。スピーカーをB&W 802D4に固定して聴いたせいもあるかと思いますが、これが実に気持ちいいサウンドを聴かせてくれました。スピーカーを支配下に置いて、意のままに操っているかのような安定感を感じました。こうしたダイナミックかつ繊細な鳴り方は、A-75のようなA級アンプではなかなか味わえないものでありましょう。まるで晴れ渡った青い空のような気持ちのいいサウンドに感じられました。

そこで、響きの感じを確かめようと思って、カンターテ・ドミノのSACD盤からお決まりのJULSANGを聴いてみました。オスカーズ・モメット合唱団による美しいハーモニーと重厚な教会のパイプオルガンが織りなす独特のエコー感は本当に心洗われるものでした。

更にキース・ジャレットによるバッハのゴールドベルグ変奏曲を聴きました。これはキース・ジャレットによるハープシコードによる独奏で、1989年1月に日本の八ヶ岳高原音楽堂で収録されたものです。真冬の八ヶ岳の音楽ホールで、ここでも透明感と凛とした空気感が伝わってくるような素晴らしい演奏でした。

最後にもう1枚、これも有名なディスクですが、カンターテ・ドミノと同じPROPRIUSレーベルのジャズアルバムです。スウェーデン・ストックホルムのスタンペン・ジャズクラブでのライブ収録です。このジャズクラブは、以前は質屋だったため「質屋のジャズ」(JAZZ at the PAWNSHOP)として有名になって何枚かのアルバムが出ています。今回はそのセカンドアルバムを聴きました。このディスクもライブ感が素晴らしく、さほど広くない空間でのライブパフォーマンスが手に取るようにわかります。とても1976年のライブアルバムとは思えない録音です。ちなみにカンターテ・ドミノも1976年の録音です。こうした50年近くも前の演奏がこうしたハイクオリティな音で楽しめるのはオーディオのすばらしさでありましょう。

これだけクオリティの高いサウンドを聴かせるパワーアンプなので、できるだけ広い空間で音量を上げて鳴らしてあげれば理想的であります。また多少気難しいスピーカーでもこのアンプならば、かなり手なずけられるのではないかと思います。そうした音量を上げられる環境をお持ちの方には今一番のおすすめモデルであろうと思います。

また純A級動作のA-75も今年の暮れで5年目を迎えますので、来年あたりには新モデルが予想されます。この鮮度感の良さを併せ持った製品が期待されますが、果たしてどういう形で登場するかも楽しみであります。
このブログをお読みになって、P-7500にご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、まずはこのアンプを店頭で是非お聴きになって下さい。もちろんご試聴だけで結構です。普段、ご自宅でお聴きになっている音源をお持ちいただいて、少し大きめな音量で聴いてみて下さい。同じ音楽でも別の世界が見えてくると思います。
ご試聴をお待ちいたしております。