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TEAC NEW VINTAGE NR-7CD 展示いたしました


TEAC NR-7CD

最近、TEACの製品が面白い。ここ10年くらいは、オーディオマニアではなく一般ユーザーを対象に、レコードプレーヤー一体型ミュージックシステムや、サブウーハーを上手く使った2.1chCDラジカセなど実用品としてのオーディオセットで独自の路線を歩んでおりますが、ハイレゾの時代になって小型で性能のいいネットワークプレーヤーやアンプ、スピーカーといった製品を数多く輩出して、オーディオビギナーや若い世代を中心に人気を博しております。数年前には手頃な価格で、デザインにも優れたアナログプレーヤーを発売したり、今では絶滅の危機にあるCDレコーダーや、コンビネーションという形ではありますがカセットやMDデッキなどもラインナップしている稀有なメーカーであります。

かつてオープンデッキやカセットデッキで世界を唸らせた栄光のTEACブランドは、ここから派生したESOTERICブランドにハイエンド路線を託して、自らは大衆路線に舵を切ったのでした。ESOTERICはその卓越した技術と徹底したメカの作り込みで順調にハイエンドブランドとして成長して、今や総合オーディオメーカーとしての地位を確立しつつあります。一方TEACは大衆に迎合した現実路線で、ある意味お茶を濁していたところがありました。しかしそんなTEACが「クオリティに目覚めた」というか、オーディオメーカーとしてのDNAを感じさせる久々の意欲作を発表しました。

最近のTEAC製品はコンパクトサイズの製品がほとんどでしたが、今回登場したのはフルサイズコンポです。とはいってもプリメインアンプとCDプレーヤーとネットワークプレーヤーをワンボディに集約した一体型コンポです。「NEW VINTAGE」と名付けられたシンプルなシステムは、デザイン的に過度な装飾を排した保守的なフォルムながら、ラウンドされたサイドパネルが斬新かつエレガントな雰囲気を醸し出しております。この製品はmade in TOKYOにこだわったということで、TEACのプライドを感じさせる内容です。
製造は東京都青梅市のTEACとESOTERICの専用工場で、ここで製造・検査・出荷まで一貫して行います。

CDドライブメカは当然TEAC製で信頼性を確保、D/AコンバーターはESOTERIC製品でも採用されている旭化成エレクトロニクスのAK4490をL/R独立で採用し、さらにICE Power製パワーアンプモジュール50ASX2をBTL駆動にカスタムしたものをL/Rに1基ずつ搭載したデュアルモノラル構成というハイエンド構成となっております。またフルエンシーアルゴリズムを用いた独自設計のFPGAにより、PCMデジタル信号を2倍/4倍/8倍へアップコンバートする機能に加え、DSDアップコンバートにも対応しCD再生時は11.2MHzにアップサンプリングするRDOT-NEOを搭載して、より緻密で繊細な音楽再生を可能にしました。ネットワークプレーヤーとしては最大DSD5.6MHz、PCM192kHz/24bitまでの多彩なフォーマットに対応し、さらに専用アプリ「TEAC HR Streamer」により、操作ボタンやプレイリストやライブラリなどの各画面が見やすく配置され、ストレスのない直感的な操作が可能です。

さて肝心の音質ですが、この手の一体型システムの枠を超える、ある種の「驚き」がありました。保守的なデザインのせいか、見た目の地味さもあり、音も標準的な感じがしてしまうのですが、意外や意外、いい意味で裏切ってくれました。
当店のレファレンススピーカーB&W 308D3を接続して試聴しましたが、不釣り合いな組み合わせながら、結構鳴るので驚きました。Marantz PM-10もそうですが、最近のデジタルアンプ(スイッチングアンプ)はよく出来てるなあと思いますね。オーケストラの重低音の凄みはなかなか難しいですが、ホール感や空気感、各楽器の重なり具合などはかなりいい感じで表現できています。次にアメリカPLUTINUM SOLO(中古品)でJAZZを聴きました。このスピーカーは能率が84dB/Wと極端に低いためアンプの力量が問われますが、これも結構ゴキゲンに鳴ってくれます。アンプの出来もさることながら、RDOT-NEOによるアップサンプリングがかなり効きますね。特にDSDアップサンプリングは秀悦です。普通のCDがSACDになりますね。

オープンプライスで市場想定売価が40万円強と、この手の製品としては高級品ですが、持っているポテンシャルはかなりのものだということは分かりました。趣味のオーディオを楽しむ方が少なくなっている昨今ですが、大掛かりなシステムではなくても買う以上はいい音で楽しみたいという方は一定数いらっしゃると思います。そんな「さりげなくいい音で」という方には非常にいい製品だと思います。当店で常設展示をしておりますので、お好きなディスクをお持ちいただいて是非このクオリティをお確かめください。
また、来たる4月16日(日)午後2時より、本機の試聴会イベントがありますので、皆様お誘いあわせの上ご来場くださいませ。           (記 遍照)

TEAC NR-7CD

コントロールアプリ TEAC HR Streamer

TEAC NEW VINTAGE NR-7CD 試聴会のお知らせ

4月16日(日)14:00~16:00
すみやサウンドギャラリー店内
講師:ティアック㈱ 企画・販促推進課 加藤 丈和 氏

上記以外の時間は個別試聴が可能です