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FURUTECH NCF Clear Line 試聴記


フルテックが最近発売した製品の中にNCF Clear Lineというものがあります。電源コンセントボックスの空き端子に装着して音質改善を図る製品です。今やフルテックの主力製品になった感のあるNCF関連の商品ですが、その効果のほどを店頭で試してみました。

フルテックのウェブサイトを見るとこの商品は「ACオプティマイザー」として紹介されています。オプティマイザーを辞書で調べると「ある特定の目的のために最適化をする機能やソフトウエアのこと」とありました。ここでの意味合いは、電源コンセントボックスの空きコンセントに差し込み、電源に起因する様々な弊害を取り除き電源環境を最適化する商品ということになるのでしょう。
ちなみに価格は22,800円と、それなりに高いような印象を受けましたが、フルテックのウェブサイトの説明を見るとなかなか凝った素材と構造になっており、よく練り上げられた製品という印象を受けました。
ごく簡単に言うと電極部の素材(非磁性ロジウムメッキ純銅素材のα導体)とα-OCC単結晶銅導体のエアコイルを、NCF素材やカーボンファイバーを含む4層構造のハウジングで密封したものということになりますが、これを事細かく説明するのは困難ですので、以下のページをご覧ください。

店頭で実際に装着して試したところ、予想以上に大きな変化がありました。
ちなみに使用機材はSACDプレーヤーESOTERIC K-03XD 、 セパレートアンプAccuphase C-3850 + A-75 、スピーカーシステム B&W 803D3で行いました。
まず低域の力感が増しました。これは低域方向の解像度が上がって低域の質感が上がったことによるものと思います。それと803D3は高解像度型のスピーカーゆえ、高域の一部の帯域に若干の刺激的なところがありますが、それが見事にというか、いい塩梅に抑えられてより自然な音(自然に感じられる音)になりました。音場空間も広くなり、ここでもより自然な空間になります。それと803D3は音の粒立ちが際立つため、一つ一つの音に意識がいってしまい、音楽全体を見落としてしまいがちですが、NCF Clear Lineによって音楽の世界に引き戻してくれるような気がします。
まさしくオプティマイズされたサウンドになったと思いました。そしてこうした変化が電源由来のものだったことは驚きの一つでもあります。

自宅でも試してみたくなりテストしてみました。余談ですが、自宅はマンションのため、スペースに限りがあるのと低音が出すぎると周囲に迷惑がかかるので、トールボーイ型のVIVID Audio KAYA25を最近導入しました。導入してから日が浅いので、まだ完全にこなれてはいませんが、このスピーカーが持っている「歪感のない音楽再生」は少しずつ実感している段階です。
自宅での印象は店でのそれとはまた違った印象になりました。店では低域の力強さが目立ちましたが、自宅では量感というよりは質感が変わりました。低域だけに限らず音楽全体を覆っている空間が広く明確になって、音楽が浮かび上がる感じがしました。それまでは意識しなかったのですが、NCF Clear Lineを外すとそれぞれの楽器や歌声の輪郭にわずかにトゲというか滲みを感じる部分があったことに気が付きます。オーディオ的な表現をすると、SN感が良くなったということなのでしょう。音場の奥行き感も深くなって音楽がより立体的になってきます。これを外すと、なんか急に音楽が色褪せて感じてしまいます。
店では家庭よりも空間がある分、空調等の暗騒音が多くて、細かいニュアンスの判別が家庭よりもわかりづらいのだと思います。しかしやはり自宅試聴は危険です。これはもう外せないアイテムとなってしまいました(笑)。

ついでにもう一つ余談になりますが、KAYA25を導入してからしばらくはスピーカーの位置決めに多くの時間を費やしました。左右のスピーカー間の距離を決め、リスニングポイントまでの距離と内振りの角度を正確に合わせていきました。部屋の状況と広さ、そしてリスナーの好みによって大きく変化しますので断定的なことは言えませんが、今までのスピーカーではセッティングによる違いはそれほどはっきり出ませんでしたので、目分量で良しとしていたところがありましたが、このスピーカーはかなりセッティングにシビアであると思いました。しかしこれを合わせ込んでいくと立体的できれいなサウンドステージが再現されてきました。実際にメジャーで測ってみると自分で等距離・等角度と思っていたのと意外と差があってびっくりでした。
VIVID Audioの設計者であるローレンス・デッキ―氏はB&W時代にオリジナル・ノーチラスを開発した著名なスピーカーエンジニアです。現在の800D3シリーズにも採用されているスピーカーユニットの背圧の消音構造は、VIVID Audioと相通じる基幹技術で、この人が開発しました。800シリーズをお使いになられているユーザーの方で、距離を正確に測っておられない方は、今一度スピーカーとリスニングポイントとの距離と角度を正確に合わせ込んでみて下さい。見違えるような音場空間が再現できるかもしれませんよ。