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LUXMAN LX-380/D-380 展示いたしました。


LUXMANの真空管式プリメインアンプLX-380と、同デザインのCDプレーヤーD-380を展示いたしました。
LUXMANの木箱入りのシリーズは、デザイン的にも重厚感のあるクラシカルな外観がいかにも趣味のオーディオという感がして好ましい雰囲気ですね。この木箱入り真空管プリメインアンプは、1963年のSQ38から数えて12代目になります。もう50年以上続いているわけですね。それもそのはず、去年で創業90周年を迎えております。

遡ること91年前の1925年、大阪に錦水堂額縁店がオープンしました。2代目店主が店内にラジオ部を創設して「錦水堂ラジオブック」というラジオ解説書を発行して大変人気を博したようです。そこからラジオパーツ、ハイファイラジオ、OY型トランスをはじめとしたオーディオパーツ、ハイファイアンプへと製品を充実させて現在に至っております。そして今や国内で一番歴史の長いアンプメーカーとなっているわけですね。こうした長い歴史の中で、真空管アンプはLUXMANのDNAの一つです。

そこで新製品のLX-380ですが、出力管にエレクトロ・ハーモニクス社製の6L6GCを採用してプッシュプル構成となっております。前作のSQ-38uよりも幅を大きくして標準的な44㎝幅のコンポサイズになりました。高さはほぼ同じですが幅が広がった分、全体にすっきりシャープにに見えます。新しいフューチャーとしては、高純度電子制御アッテネーターLECUAを真空管アンプとしては初めて搭載したことが挙げられます。最近のLUMANアンプには搭載されており、音質劣化の無いボリウムコントロールが可能になりました
ペアとなるCDプレーヤーのD-380はLX-380と同じデザインで幅も同じ44㎝になりました。前作のD-32uもアナログ出力回路にトランジスター出力と真空管出力がレバー一つで切替ができる機能がありましたが、今回も同様に切替えができます。今回はECC82真空管を使用したバッファー回路に専用の出力トランスを接続して音質のグレードアップに成功しました。またDACチップもTI社製の32bitDAC PCM5102Aを採用して音質向上に貢献しています。

さて前置きが長くなりましたが、接続をして音を聴いてみました。組み合わせたスピーカーはTANNOY Turnburry/GRです。最初はB&W 803D3で鳴らしたのですが、さすがに荷が重い感じでしたので相性の良さそうなTANNOYに変更しました(笑)
主な試聴ディスクは
クラシック(オーケストラ)  インバル   マーラー:交響曲第5番 第1楽章
クラシック(チェロ)    ヨー・ヨー・マ   Simply Baroque Ⅱ
ジャズ(ビッグバンド)   カウント・ベイシー Basie is Back
ヴォーカル          エバ・キャシディ  NIGHTBIRD 
で比較してみました。
まず、Turnberry/GRとの相性は抜群でしたね。しなやかで、角のうまく取れた聴き疲れのしない音でありながらフォルテシモのダイナミックな感じはしっかりとエネルギーを感じさせます。またBasie is Backでは予想以上にスピード感があり、ノリの良さが感じられました。真空管独特の中低域の厚みがTurnberry/GRの個性を上手く引き出していた感じです。意外とジャズのビッグバンドの再生が良かったのは驚きでした。エバ・キャシディのギターの弾き語りでは、濃厚な歌声に加え口元がはっきりと分かるディティールの表現が心地良い印象でした。
ここでD-380に付いているトランジスター出力と真空管出力の切り替えをテストしてみました。確かに前作のD-38uよりもその違いははっきりしている感じがしました。しかも圧倒的に真空管出力の方が好ましい印象です。やはり出力トランスを付けた効果は大きいようです。音のエネルギー感や濃厚さは特に違いが出ましたね。このあたりは組み合わせるスピーカーや音楽ジャンルやリスナーの音の好みによっても変わりますので断定することはいたしませんが、個人的な感想としてはトランジスター出力を付ける意味がないほど圧倒的な差がありました。

今の時代、趣味のオーディオを熱心に取り組んでる方が少なくなっている現実を考えると、一部の富裕層しか享受できないハイエンド製品よりも、こうしたちょっと頑張れば手が届く範囲の製品で趣味性のある個性的な製品を開発して、販売店もそうした個性を大切にしてユーザーに広めていくことが、趣味のオーディオを風化させない方法でなかろうかということを考えさせられる試聴でありました。     (記 遍照)

LX-380

D-380