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FOCAL KANTA N°2 展示いたしました


FOCAL KANTA N°2 の展示機が入荷いたしました。

店の展示スペースが狭いこともあって、ラックスマンの発表会場で見た感じよりやや大きく感じます。MONITOR AUDIOのPL-200Ⅱとほぼ同じ大きさと思っていたのですが、KANTAの方が一回り大きいですね。カラーはウォームトープ/マットで、スピーカーシステムとしての色目としては今まであまりなかったものですが、全体的に派手さもなく、日本の家庭にしっくりフィットする落ち着きのある印象です。

ウーハーユニットとミッドレンジユニットはARIAシリーズで搭載したFlaxサンドイッチコーンを採用しています。これはフランス産の麻に特殊加工を施して剛性を高めて、グラスファイバーで挟んだ構造です。軽量・剛性・ダンピング性能といった要素で、非常にコストパフォーマンスに優れたダイアフラム素材と考えているようです。

ツイーターにはAIL3という第3世代のピュアベリリウムを採用した最新のユニットを採用しました。このFOCALのアイデンティティといってもいいインバーテッド(逆ドーム型)ツイーターは第3世代になって歪みを大幅に低減させることに成功しています。

もう一つ特徴的なことはバッフル板の素材です。新開発の高密度ポリマーの採用により、同じ厚さのMDFに対して剛性で15%、密度で70%、ダンピングで25%のアップが図られています。これにより上位モデルのSOPRAの分厚いMDFバッフル板に比べて35%も薄いにもかかわらず同等の強度を保ちます。

さてそのサウンドですが、一言で言って「ウェルバランス」です。低域の量感と伸びは十分にあり、中域の張り出しも過不足なく、高域のキレも十分感じることができました。なにぶんまだおろしたてなので、それらの要素が有機的に絡んでくるところまではいきませんが、ポテンシャルは感じられるものでした。

ラックス本社での発表会の時はLUXMANのプリメインアンプL-509Xでドライブしていましたが、お店の時と印象が変わって「優しい音だな」という印象がありました。好ましい音だけどもう少し奥行き感がほしいという感じもありました。当店のリファレンスはAccuphase のC-3850 + A-70のセパレートアンプですが、こちらですと奥行き感も出てキレのあるサウンドが出てきました。そういう意味ではこのスピーカーはスピーカーの個性で鳴らすタイプではなく、アンプのポテンシャルを描き分ける正統派のハイエンドスピーカーであるとの印象を受けました。

当店には価格的に近いMONITOR AUDIOのPL-200Ⅱ(¥1,100,000/1p)がありますので、こちらとの比較も気になるところです。聴き比べてみますとPL-200Ⅱの方が全体的になめらかですね。KANTAの方がキレのある音という印象でした。これはツイーターの違いに起因しているものと思われます。PL-200ⅡはPMDというプリーツ型のダイアフラムで、100kHzの超高域まで歪み感なく再生します。そのため滑らかで伸びやかな高域再生になります。KANTAは40kHzまでの再生が可能ですが、どこかにピークやディップがあるのかそのある種のクセによってキレが生み出されているような感じがします。それが一つの個性として寄与しているものと思われます。またKANTAの方が低域の厚みがあります。PL-200ⅡはKANTAに比べるとやや締まった低域という印象です。総合的には音の実体感ではKANTAの方があり、サウンドステージの広がりではPL-200Ⅱに軍配が上がるといったところでしょうか。このあたりはスピーカーの個性とリスナーの相性によって選択が変わってくると思います。

KANTAはまだ鳴らし込みが十分できていないので、今後音がもっとほぐれてくると思いますが、今の段階でも十分魅力的なサウンドを楽しめます。今月21日(土)に㈱ラックスマンの相田さんをお招きして「お披露目試聴会」を行いますので、是非この機会にお聴きいただければと思います。セミナー形式ではありませんので、お好きな時間にお好きな音源をお持ちいただき、そのポテンシャルをお確かめください。