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HARBETH HL-Compact7ES-3 XD 試聴記


お客様の試聴希望で、HARBETHの HL-Compact7ES-3 XDをお借りして聴いております。
XDシリーズの発売は2020年の8月なので、特に新製品ということではないのですが、なかなか店頭で聴くチャンスがなかったので、この機会に試聴した印象を述べたいと思います。

第一印象は、全体的にスッキリした音になったということです。オーディオ的に表現すれば、解像度が上がって細かいニュアンスが良く伝わってくるようになったということでしょうか。それもそのはず、スピーカーユニットやネットワークに至るまで大きく進化したのでした。ちなみにこの新シリーズにつけられたXDは、eXtended Definitionの略で高解像度・高精細という意味です。例えばウーハーユニットの独自のコンポジット・コーン・ダイアフラムRADIAL 2は、ポリプロピレンをベースに、ナチュラルなサウンドを生み出す3種類のポリマー材を調合して完成した最新バージョンです。そしてこれらのスピーカーユニットを最大限に生かすために、クロスオーバーネットワークにも大幅な改良が加えられました。

従来のHL-Compact7ES-3も良くできたスピーカーでしたが、XDと比較するとやや高域に線の細さを感じてしまいます。直接比較をしたわけではありませんが、そういう印象があります。前作は弦の響きがきれいなのですが、その分神経質なところがあった気がします。その点が改善されて、安定感のある骨太の音になったと思います。その結果、音楽ジャンルを選ばずオールマイティに音楽を楽しめるスピーカーになったと思います。しかもベースの部分ではブリティッシュサウンドをベースに感じさせる、非常にいい塩梅のサウンドを感じさせてくれます。


試聴する前はHARBETHの印象として「クラシック、中でも弦の再生」が魅力的と思っていました。逆説的に言うと、クラシック以外は普通のスピーカーという評価でしたが、このXDシリーズを聴いてみるとクラシックはもちろんのこと、他のジャンルを鳴らしても違和感はなく、それどころかHARBETH流の解釈の音楽が心地良く空間を満たしてくれます。これはこのシリーズになって、解像度が上がって粒立ちが良くなって、一音一音の重なり合いが音楽全体を構成して、その一体感が絶妙なのだと思います。

前作のHL-Compact7-ES3がペア506,000円(税込)だったのに対して、HL-Compact7ES-3 XDはペア748,000円(税込)と価格的にもかなりの値上がりとなりました。およそ30%ほどの値上がり率となりましたが、この価格アップに見合うクオリティアップがあったかというと、私はあったと評価します。この出来の良さを目の当たりにすると、「まあしょうがないかな」と妙に納得してしまう自分があったりします。それくらいこのシリーズは魅力的に感じてしまった今回の試聴でした。