グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  ブログ >  ESOTERIC Grandioso K1/Grandioso F1 試聴しました

ESOTERIC Grandioso K1/Grandioso F1 試聴しました


Grandioso K1 & Grandioso F1

ESOTERIC Grandioso K1 と Grandioso F1 のデモ機をじっくりと聴かせていただきました。昨年秋のイベントの時も持ち込んでいただき音の確認はしていたのですが、今回は何日か聴ける時間がありますので、様々なジャンルを鳴らしてみました。

この一体型SACDプレーヤーとプリメインアンプは国内製品としては最高峰の作品で、それぞれ200万円というプライスタグが付いております。この高額な製品がどれくらいの需要があるのか?と思っておりましたが、中にはいるんですねえ、買われる方が・・・。
しかし考えてみれば、セパレート型SACDプレーヤーやセパレートアンプは、これより高額な製品は海外製品を含めれば山ほどあるわけで、「大掛かりなシステムにしたくないけどクオリティは落としたくない」という要望は、ある意味今の時代にマッチしているのかも知れません。

今回色々と聴かせていただいて、並のアンプとプレーヤーではないなということははっきりいたしました。SACDプレーヤーのGrandioso K1 はレギュラーシリーズのK-01Xの上位モデルという位置づけでK-01Xの55万円アップ。プリメインアンプのGrandioso F1はレギュラーシリーズのF-03Aの上位モデルで105万円アップということです。アンプはもうべらぼうに高くて、これより高い機種はBurmester 032(250万円)とdarTZeel CTH-8550(350万円)の2機種しかないというハイエンド機です。
それだけアンプの方は敷居が高いですが、これが組み合わせて聴いてみると実にいいんですね。まあデザインも特徴的なので、他メーカーとの組み合わせはなかなかないかも知れませんが、この組み合わせでの最大の利点は「ES-LINK Analog」という新しい接続方式です。これは電流伝送といって計測器等では一般的らしいですが、インピーダンスの影響を受けにくい伝送方式で、アメリカのアンプメーカーKRELLがCAST伝送として昔から採用しています。ESOTERICとしては今後「ES-LINK Analog」接続は採用していく予定だそうですが、現在のところK1/F1間での接続のみが可能になっています。さてこの接続の音質は素晴らしいの一言です。通常のバランス接続と比較をしますと圧倒的にダイナミックでフレッシュな音が楽しめます。

もう一つGrandioso F1の注目すべき点は、何とESOTERIC専用のMOS-FET「ESOTERIC MODEL200」を新日本無線㈱と共同開発して搭載をしていることです。シリコンカーバイト(SiC)を採用した新世代パワーディバイスで、こちらも今後のパワーアンプに採用していく予定だそうですが、一オーディオメーカーが自社専用のパワーディバイスを開発するなど聞いたことがありません。それだけ時間とコストと情熱をつぎ込んだということになるのでしょうが、本当にすごいことだと思います。それ以外にも大型トロイダルトランスの採用などかなりのコストがかかっていることは理解できます。定価200万円が妥当かどうかは別にして、それに見合う内容は持っていると思います。

もう一方のGrandioso K1の最大のウリはDACチップに旭化成エレクトロニクスの最新ハイエンドチップAK4497を採用したことです。このDACチップはS/N比128dBを誇り、サポート周波数はPCM:768kHz/32bit DSD:22.4MHz/1bitというハイスペックです。最近ではLINNのNew KLIMAX DSにも搭載されて話題になりました。その他MUSES03オペアンプや35bitD/Aプロセッシング・アルゴリズムからベースシャーシに至るまで細部にわたってリファインされています。

今回の試聴は、お客様のご要望でスピーカーはSonus faber のOLYMPICAⅢを用意しました。Sonus faberも2007年、創業者のフランコ・セルブリンが同社を去ってから新体制となり、2010年フラッグシップモデル The Sonus Faberを発表して製品的にも世代交代が進み、2013年に同社の中核をなすCremonaシリーズからOLYMPICAシリーズへと受け継がれていきました。そのシリーズの最上位モデルのOLYMPICAⅢは18cm口径のダブルウーハー採用の3ウェイモデルで、天板と側板には無垢のウォルナットが奢られた美しい仕上げが目を引きます。天板にはさらにナチュラルレザーが張られ、フロントバッフルにも厚手のレザーが奢られサウンドチューニングの音の美しさと外観の美的センスが融合して、とてもリッチなサウンドに仕上がっていますね。またCremonaよりもディティールの表現力と音離れの良さが向上して、より音楽ジャンルを選ばないオールラウンドなスピーカーになったような気がします。

ESOTERIC Grandioso K1 / Grandioso F1 と Sonus faber OLYMPICAⅢ の組み合わせは、音楽ジャンルを選ばず、決して大袈裟なシステム構成にならずに、質の高い音楽再生を目指すユーザーには是非一度聴いていただきたい私のお勧めの組み合わせという印象を強く持った試聴でありました。             (記 遍照)