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Accuphase PS-1230 と LUXMAN ES-1200 を比較試聴しました。


Accuphase ps-1230

クリーン電源ユニットの新製品、Accuphase PS-1230 と LUXMAN ES-1200の比較試聴を行ないました。
両機種とも電源容量が1200VAで、電源波形の歪み部分を補正する、アキュフェーズが言うところの「波形整形」方式のクリーン電源ユニットです。アキュフェーズは1997年発売の初代PS-1200から数えて今回が5世代目という非常に作り込まれた製品であるのに対して、ラックスマンは初登場の製品になります。もう一つ大きな違いが、アキュフェーズは大型トロイダルトランスと大容量コンデンサーを使用して重量41.7kgと重量級なのに対して、ラックスマンは高効率のスイッチング電源を採用して重量17.5㎏とかなり軽量です。
果たしてこの2機種の音の違いはどうなのか、興味があるところでした。

今回の試聴ディスクは、
クラシック  ベートーベン  バイオリンソナタ第5番「春」
ジャズ    PONTA BOX  MODERN JUZZ
ヴォーカル  ウィリアムス浩子 MY ROOM for Christmas
を中心に行いました。
PONTABOXは特に優秀録音盤ではないのですが、普通のディスクでどう変化が出るのか試してみたいと思いました。

比較試聴の結果は非常に興味深いものでした。

アキュフェーズの初期の製品は、歪み感はないが音が鈍ったり丸っこくなる印象があったのですが、5世代目ともなるとそうした感じはほとんどないですね。音の見通しや空気感が非常に良くて、しかも自然な感じでバランスの整った音でした。長年の経験が積み重なった、派手さはないけど全方向に破綻のない安定・安心の音というイメージで、正にアキュフェーズらしいなあと思いました。

ラックスマンは事前にイメージした音と違ってちょっと驚きました。イメージでは柔らかく暖かい音という感じでしたが、意外に透明感のある切れ味鋭い音でした。音のヌケではアキュフェーズを凌駕する感じがしました。一言で言って「攻めた音」という印象でしょうか。スイッチング電源を採用して音はどうなのかなという心配もありましたが、マイナス要素は感じられませんでした。それよりも軽量というメリットの方が大きかったですね。
最初の製品としては非常によくできていると思います。また従来のラックスマンユーザーの方には現在のサウンドキャラクターに新鮮なスパイスを与える効果を期待できて非常に面白そうだと思いました。

ついでに当店に常設展示している ISOTEK EVO3 SIGMAS を交えて比較試聴をしてみました。ISOTEK はフィルター方式ですが音が鈍らないというのが特徴でしたが、音の鈍りという点では3機種とも、そう差はない感じがしました。ただEVO3 SIGMASはエネルギー感がすごいですね。力でグイグイ押してくるような力強さがあります。アキュフェーズ・ラックスの日本勢は、透明感や解像度といった要素ではEVO3 SIGMASを凌駕していました。EVO3 SIGMASはそういう細かいことは気にせずに、とにかく音楽を楽しもうよという積極性とおおらかさを感じました。この辺りは音楽ジャンルやリスナーの好みによって好き嫌いの分かれるところだと思いますが、それぞれの特徴が理解でき、有意義な試聴でありました。             (記 遍照)