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Accuphase A-48 試聴記


アキュフェーズより新製品パワーアンプA-48のデモ機が届きました。

A-48は純A級動作パワーアンプA-47の後継機です。従来のアキュフェーズ製品と同様に、外観はほとんど変わらずに中身をブラッシュアップしたモデルで、価格はA-47の63万円に対して68万円と5万円アップとなっております。しかし今回は外観で大きく変わった点がひとつあって、天板(トッププレート)がA-75と同等の厚手のアルミ材に変わりました。これにより俄然高級感が出ました。それに伴い重量も900g増えて33㎏となりました。トッププレートが変わって5万円アップならば、今回の価格設定はお買い得と言えると思います。

A-48の最大の特徴はアキュフェーズ独特のインスツルメンテーションアンプ方式の前段の信号入力部のゲインを22dBと高く、後段の電力増幅部のゲインを6dBと低くして、外部からのノイズの影響を受けにくくしています。この信号入力部の回路を最適化することによって、トータルのSN比がA-47の116dBに対して117dBを達成しています。 またスピーカーに対するコントロール力を示すダンピンファクターがA-47の600に対して800に上がっております。最近のアキュフェーズの製品のブラッシュアップは、SN比1dBの進化が多いのですが、たった1dBですがこの1dBでクリアさとか透明感が全く変わります。単なる数値以上の違いを実感します。こうした地道な改善がアキュフェーズ製品の正常進化を支えているのは間違いのないところでしょう。

実際の試聴でも、一番際立ったのはクリアネスと音ヌケの良さでした。音がまとわりつかないというか音離れの良さを感じる音ですね。いわゆるA級アンプの音という感じはあまりなく、AB級の音に近いような印象があります。それでも音のカドはうまく取れていてキツさのないところはA級アンプだなと思わせるところも当然ながらあります。
ジャズ系はこのクリアさが最大限に生かされ、リズム感が心地よく感じます。クラシック系もノイズフロアレベルが下がったことにより、ディティールの表現が緻密になり、音楽のきめが細かくなりますが、人によってはもう少し温度感がほしいという方もいらっしゃるかもしれません。この辺りはスピーカーとの相性やユーザーの好みによって評価が分かれるかと思います。

現在の製品をベースに改良と改善を重ねて進化していくアキュフェーズのものづくりの姿勢は、オーディオが高尚な趣味として定着していた時代の、良質な「Made in JAPAN」の象徴として現代に受け継がれている数少ない事例でありましょう。こうした良き伝統を正しく受け継ぎ、後世まで続いていってほしいなと思った今回の試聴でした。