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B&W 702S2 試聴記


B&Wの中堅クラスの人気商品、700シリーズの702S2をお客様の試聴希望もありデモ機を借りました。もう発売して2年が経とうとしているのに、当店で鳴らすのは初めてという情けない話ですが、遅ればれながらじっくり聴かせていただきました。

当店には800シリーズの803D3が常設展示をしておりますが、どうしてもそちらのイメージが強すぎて最初はピンときませんでした。それは当然の話で、ペア270万円とペア60万円の違いがありますのでクオリティの差は残念ながら歴然とあります。
800シリーズは音の見通しの良さや空間表現の緻密さが特徴で、現代スピーカーのベンチマーク的存在となっております。700シリーズはその下に位置するミディアムクラスの製品で、一般家庭で使いやすい価格とサイズがラインナップされています。その中の最上位モデルが702S2となります。
このスピーカーの最大の特徴はキャビネットから独立して上に載せられているツイーターユニットです。ダイアフラムはアルミながら表面と裏面にカーボンコーティングを施してハウジングは無垢のアルミ材から切削加工された1㎏に及ぶ重量があるもので、高域のキレの良さと開放感に一役買っているものと思われます。その他のユニットは165mmウーハー×3、150mmコンティニュアムコーン・ミッドレンジ。ウーハーユニットが3個なので低域の量感と厚みはかなりあります。

最初の試聴はAccuphase C-3850+A-75(¥3,000,000)のセパレートコンビで鳴らしました。ソースはCDでESOTERIC K-05Xs(¥650,000)を使いました。
これはもうスピーカーを完全に支配していて、音のキレや解像度の高さは見事でした。現実を忘れて音楽の世界に引き込まれるような感覚でした。しかし細部の描き分けが繊細過ぎるのか、少し神経質になってリスナーに緊張感を強いる傾向があるように感じられました。

価格的にもあまり現実的な組み合わせではなかったので、次にプリメインアンプのAccuphase E-480(¥550,000)にチェンジしました。そうしたら以外に、こちらのほうがいい意味で緊張感が取れて、平常心で音楽が楽しめる気がして好ましく感じました。

最後にESOTERIC F-05(¥720,000)を合わせてみました。こちらにはオプションのES-LINK Analogボード(¥50,000)を装着しており、CD~アンプ間の電流伝送を試してみました。電流伝送は測定器の世界では昔から使われていたようですが、オーディオの世界ではその昔KRELLがCAST伝送というネーミングで使っていたことがありました。通常の電圧伝送よりもインピーダンスの影響を受けにくく良質な伝送ができるという優れた方式です。
接続してみると、確かに音は力強くエネルギッシュな感じがあります。ヴォーカルにしても管楽器にしても一つ一つの音が前に出てくる感じがあります。今回の試聴では一番好ましく思えた組み合わせでした。
この伝送は現在ESOTERICしか採用していませんが、業界内で協力してもう少し普及させる努力をすればオーディオの新しい未来も拓けるような気もします。ただ強力なバッファ回路が必要なようでコスト的に普及品には難しいようですね。